冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
するとロージーは、ふふっと笑みを漏らす。
「……そうね。うん、大分変った。優しくなったっていうか、話を聞いてくれるようになったかな。多分団長と出会ってから」
キースが生徒会長からの退任を間近に控えた頃のこと。彼は突如リュアンを生徒会長室に連れて来て、入学して間もない一年生を次期生徒会長に据えると告げたらしい。
「それまでは自分の後釜なんて、誰でもいいって感じだったのにね。当然当時の次期生徒会長にほぼ内定してた人は反発したんだけど、その人は家柄だけで、実は陰で素行がよくなかったことがばれて、選挙で負けちゃってさぁ。自暴自棄になったのか学校まで辞めちゃって……っと、そこら辺はいいか。とにかくまあ、ふたりの間には何か、他人の与り知らない関わりがあるんだろうって思うよ」
おそらくそれが今のキースとリュアンの関係にも表れているのだろうと思うが、どんなことがあったのかセシリーにはまるきり見当が着かない。また今度、機会が有れば尋ねてみようと胸に留め、横目で時計を見ればもう十一時に差し掛かるところだった。
「……そうね。うん、大分変った。優しくなったっていうか、話を聞いてくれるようになったかな。多分団長と出会ってから」
キースが生徒会長からの退任を間近に控えた頃のこと。彼は突如リュアンを生徒会長室に連れて来て、入学して間もない一年生を次期生徒会長に据えると告げたらしい。
「それまでは自分の後釜なんて、誰でもいいって感じだったのにね。当然当時の次期生徒会長にほぼ内定してた人は反発したんだけど、その人は家柄だけで、実は陰で素行がよくなかったことがばれて、選挙で負けちゃってさぁ。自暴自棄になったのか学校まで辞めちゃって……っと、そこら辺はいいか。とにかくまあ、ふたりの間には何か、他人の与り知らない関わりがあるんだろうって思うよ」
おそらくそれが今のキースとリュアンの関係にも表れているのだろうと思うが、どんなことがあったのかセシリーにはまるきり見当が着かない。また今度、機会が有れば尋ねてみようと胸に留め、横目で時計を見ればもう十一時に差し掛かるところだった。