冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
素っ頓狂な声を上げて軽く仰け反ったのは、この間からなぜかここで働くことになった、セシリー・クライスベルとかいう伯爵家の娘だ。
団長である俺が強く反対したのに……キースやロージー、他の騎士たちの強い推薦もあって、雇ってしばらく様子を見るという結論に落ち着いてしまった。想定外なことに、今は問題なく仕事をこなしている。キースも言ったように、本来肉体労働など令嬢のする仕事ではないし、そうでなくても地味な仕事の多さにすぐ音を上げる者も少なくないというのに……。
日々ここに馴染んできている不思議な令嬢に胡乱な視線を向け、俺は用向きを尋ねた。
「今日は非番だ……。だから少しだけ息抜きを、と思っただけだが。お前こそ何してる?」
「せ、洗濯物を届けに来たんです! これ!」
セシリーが俺に渡してきたのは一抱えほどある青色の布袋だ。縛り紐に輝く銀色のタグには、たしかに俺の部屋の番号が刻まれている。
団長である俺が強く反対したのに……キースやロージー、他の騎士たちの強い推薦もあって、雇ってしばらく様子を見るという結論に落ち着いてしまった。想定外なことに、今は問題なく仕事をこなしている。キースも言ったように、本来肉体労働など令嬢のする仕事ではないし、そうでなくても地味な仕事の多さにすぐ音を上げる者も少なくないというのに……。
日々ここに馴染んできている不思議な令嬢に胡乱な視線を向け、俺は用向きを尋ねた。
「今日は非番だ……。だから少しだけ息抜きを、と思っただけだが。お前こそ何してる?」
「せ、洗濯物を届けに来たんです! これ!」
セシリーが俺に渡してきたのは一抱えほどある青色の布袋だ。縛り紐に輝く銀色のタグには、たしかに俺の部屋の番号が刻まれている。