冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
メイアナの喫茶店②
思い出話を終えたキースは、メイアナが用意してくれた紅茶を味わう。
「彼との出会いはそのようなものでしたね。今はひねてしまいましたが、数年前の彼は、今から考えられないくらい素直で従順な青年だったのですよ。当時は本当に、私の言うことはなんでも聞いていたんですから」
「へぇ~、団長にもそんなころがあったんですね……」
あの不遜な態度を取るリュアンの意外な過去を知り、セシリーは瞳を丸くした。もっと、自分に能力があるのをいいことにやりたい放題やってきた人間なのだと勘違いしていたのだ。
たしかに、魔法騎士団に勤めだしてから知ったリュアンの姿は、団長だからと言って楽をしたりするようなこともなく、他の団員以上に日々あちこちを懸命に駆けずり回っている。見た目や言動だけでその人を分かったつもりになっていたセシリーは、大いに反省し、肩を小さくする。
「もっと皆苦労のない生活を送ってきたんだと思っていましたけど、違うんですね」
「彼との出会いはそのようなものでしたね。今はひねてしまいましたが、数年前の彼は、今から考えられないくらい素直で従順な青年だったのですよ。当時は本当に、私の言うことはなんでも聞いていたんですから」
「へぇ~、団長にもそんなころがあったんですね……」
あの不遜な態度を取るリュアンの意外な過去を知り、セシリーは瞳を丸くした。もっと、自分に能力があるのをいいことにやりたい放題やってきた人間なのだと勘違いしていたのだ。
たしかに、魔法騎士団に勤めだしてから知ったリュアンの姿は、団長だからと言って楽をしたりするようなこともなく、他の団員以上に日々あちこちを懸命に駆けずり回っている。見た目や言動だけでその人を分かったつもりになっていたセシリーは、大いに反省し、肩を小さくする。
「もっと皆苦労のない生活を送ってきたんだと思っていましたけど、違うんですね」