冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
セシリーという娘(リュアン視点)
「…………しまった!!」
俺は寝台から身を起こし、失敗したことを悟る。
普段より少し遅く起きてしまった……といっても、まだ夜明けすら始まっていない五時過ぎのことだが。
素早く身支度を整えると、部屋から飛び出した俺は運動着に着換え、外を走り出す。騎士団全体の調練も朝からあるが、今日は早朝から任務のため街を出なければならない。長時間の馬車の移動が続くので、体が鈍ることだけは避けたかった。
騎士団の敷地内をしばらく走っていると、北側の門の守衛に元気に挨拶している声が聞こえてくる。
「おはようございま~す!」
「今日も早いねえ、セシリーさん」
セシリー・クライスベルだ。彼女は明るい笑顔のままこちらに歩いてきたので、俺は思わずその辺の茂みに隠れてしまった。
俺は寝台から身を起こし、失敗したことを悟る。
普段より少し遅く起きてしまった……といっても、まだ夜明けすら始まっていない五時過ぎのことだが。
素早く身支度を整えると、部屋から飛び出した俺は運動着に着換え、外を走り出す。騎士団全体の調練も朝からあるが、今日は早朝から任務のため街を出なければならない。長時間の馬車の移動が続くので、体が鈍ることだけは避けたかった。
騎士団の敷地内をしばらく走っていると、北側の門の守衛に元気に挨拶している声が聞こえてくる。
「おはようございま~す!」
「今日も早いねえ、セシリーさん」
セシリー・クライスベルだ。彼女は明るい笑顔のままこちらに歩いてきたので、俺は思わずその辺の茂みに隠れてしまった。