冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
リルルとラケル①
「リルルー、ご飯だよ」
「ワウ!」
ある日、食堂で騎士たちの食事の世話を終えた後、魔法騎士団本部に併設された立派な犬小屋にセシリーは柔らかく煮込んだ骨付き肉を持っていった。いや、犬ではなく狼小屋だ……ここに住んでいるのは立派な白狼のリルルなのだから。
ちなみに彼もれっきとした魔法騎士団の団員らしく、「探し物をさせれば正騎士の平団員よりかはいい仕事をする」というのは、キースの言。セシリーも匂いを覚えられているのか、よく勝手に首輪を抜けて来たリルルに飛びつかれたりしてびっくりさせられるが、そういうやんちゃなところも含めて可愛いやつなのだ、こいつは。
そんなリルルは、大皿に山盛りの肉を見て真ん丸の黄色い目を輝かせると、セシリーの周りを嬉しそうに飛び跳ねた。
「ほら、がっつかないの! お座り、待て!」
「ワウ!」
ある日、食堂で騎士たちの食事の世話を終えた後、魔法騎士団本部に併設された立派な犬小屋にセシリーは柔らかく煮込んだ骨付き肉を持っていった。いや、犬ではなく狼小屋だ……ここに住んでいるのは立派な白狼のリルルなのだから。
ちなみに彼もれっきとした魔法騎士団の団員らしく、「探し物をさせれば正騎士の平団員よりかはいい仕事をする」というのは、キースの言。セシリーも匂いを覚えられているのか、よく勝手に首輪を抜けて来たリルルに飛びつかれたりしてびっくりさせられるが、そういうやんちゃなところも含めて可愛いやつなのだ、こいつは。
そんなリルルは、大皿に山盛りの肉を見て真ん丸の黄色い目を輝かせると、セシリーの周りを嬉しそうに飛び跳ねた。
「ほら、がっつかないの! お座り、待て!」