冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
予定外の評価に村長は難しい顔で額に皺を刻むと、彼をここに連れてきた経緯と、両親の意向を話した。
「しかし、この子の親も私もしがない農民で、魔法を学ばせるような蓄えなどありませぬ。もしそのせいで次は人に危害を加えるようなことでもあれば、悲惨なことになってしまう。彼の魔力を封ずることはできないのですか?」
まるで危険物扱いをされたラケルはむっと頬を膨らまし彼を睨んだが、魔法使いは大きく首を振る。
「彼のような貴重な才能を無駄にするなどとんでもない! ……なれば、私にお預けしてみてはいかがですか? なに、金を払えなどとは言いません。この子自身が一人前の魔法使いになった時に返して貰えば済むことですからな――」
彼から示されたのは思ってもみない提案で、ふたりの一存では結論が出せそうにない。結局、話はそこで一旦家族の元に持ち帰られることとなった……。
「しかし、この子の親も私もしがない農民で、魔法を学ばせるような蓄えなどありませぬ。もしそのせいで次は人に危害を加えるようなことでもあれば、悲惨なことになってしまう。彼の魔力を封ずることはできないのですか?」
まるで危険物扱いをされたラケルはむっと頬を膨らまし彼を睨んだが、魔法使いは大きく首を振る。
「彼のような貴重な才能を無駄にするなどとんでもない! ……なれば、私にお預けしてみてはいかがですか? なに、金を払えなどとは言いません。この子自身が一人前の魔法使いになった時に返して貰えば済むことですからな――」
彼から示されたのは思ってもみない提案で、ふたりの一存では結論が出せそうにない。結局、話はそこで一旦家族の元に持ち帰られることとなった……。