冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
彼らと知り合いになった経緯はセシリーにとってちょっと頭の痛い記憶なので、ラケルがさらっと流してくれて助かった。彼は団長が最近元気がないように見えることを明かし、ジョンは真剣な様子で対応を考え、戸棚にあった一つの薬を取り出す。
「ふむ……ならばこれを持って行け。定期的に服用すれば効果は徐々に現れるだろう……しかし、彼の内面が原因であるのなら、根本の不安を取り除かねば効果は薄いぞ。薬で出来ることは限界がある」
「ですよね。何とかして、団長の悩みを聞いてあげられればいいんだけれど」
「意地っ張りだもんねぇ、彼は」
彼が安心して悩みを吐き出せる存在がいればいいのだが、性格のいいラケルでも無理となるとかなり難しいだろう。セシリーの頭には、前にキースから聞いた話がよぎるが、あの事情を軽々しく口にするのは躊躇われた。
「もし、お前たちに思い当たるふしが無いのであれば、下手に詮索するのはよした方がいいと思うがな。それよりも、いつも通り彼が過ごせるよう、気にせず明るく接してやることだ」
「……わかりました。僕らまで暗くしてちゃ、団長も気にするかも知れませんしね。できるだけのことはして、自然な成り行きに任せるしかないかな」
「うん、リュアン様だったらきっと大丈夫だよ。あんなに強いんだから」
「ふむ……ならばこれを持って行け。定期的に服用すれば効果は徐々に現れるだろう……しかし、彼の内面が原因であるのなら、根本の不安を取り除かねば効果は薄いぞ。薬で出来ることは限界がある」
「ですよね。何とかして、団長の悩みを聞いてあげられればいいんだけれど」
「意地っ張りだもんねぇ、彼は」
彼が安心して悩みを吐き出せる存在がいればいいのだが、性格のいいラケルでも無理となるとかなり難しいだろう。セシリーの頭には、前にキースから聞いた話がよぎるが、あの事情を軽々しく口にするのは躊躇われた。
「もし、お前たちに思い当たるふしが無いのであれば、下手に詮索するのはよした方がいいと思うがな。それよりも、いつも通り彼が過ごせるよう、気にせず明るく接してやることだ」
「……わかりました。僕らまで暗くしてちゃ、団長も気にするかも知れませんしね。できるだけのことはして、自然な成り行きに任せるしかないかな」
「うん、リュアン様だったらきっと大丈夫だよ。あんなに強いんだから」