冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「当たり前でしょう!」
「セシリーちゃんには世話になってるからなぁ。おい、探査用の魔法で街をしらみつぶしに探していこう。地図を持って来い、担当を決めるぞ」
集まった騎士たちは口々に頷き、探す準備を始めていった。魔法使いでない一般の人間の中にもほんのわずかな魔力は流れていて、特定の人物を探す魔法は、普段その人物がよく使用している持ち物に移った残留魔力を利用する。
幸い彼女が使っているマグカップなどが控え室に有り、ロージーが持って来たそれから騎士たちは反応を辿ろうとテーブルに地図を広げて魔法を掛け、カップから糸のように放たれる光の動きを注視する……しかし。
「反応が薄いな……大分分散してる。町の西部か、南部のどっちかだと思う」
「細かくは絞れんか……手分けして探すしかねえな」
キースは頼もしい同僚たちに感謝すると、彼らの配置を素早く決めて指示する。
「では、皆さんは一刻も早く彼女の身柄を確保できるよう出発して下さい。私は正騎士団にも要請してみます。人出はあった方がいい」
「セシリーちゃんには世話になってるからなぁ。おい、探査用の魔法で街をしらみつぶしに探していこう。地図を持って来い、担当を決めるぞ」
集まった騎士たちは口々に頷き、探す準備を始めていった。魔法使いでない一般の人間の中にもほんのわずかな魔力は流れていて、特定の人物を探す魔法は、普段その人物がよく使用している持ち物に移った残留魔力を利用する。
幸い彼女が使っているマグカップなどが控え室に有り、ロージーが持って来たそれから騎士たちは反応を辿ろうとテーブルに地図を広げて魔法を掛け、カップから糸のように放たれる光の動きを注視する……しかし。
「反応が薄いな……大分分散してる。町の西部か、南部のどっちかだと思う」
「細かくは絞れんか……手分けして探すしかねえな」
キースは頼もしい同僚たちに感謝すると、彼らの配置を素早く決めて指示する。
「では、皆さんは一刻も早く彼女の身柄を確保できるよう出発して下さい。私は正騎士団にも要請してみます。人出はあった方がいい」