冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
女性が家を飛び出してから、もう一年ほどの期間が経ち……実家も諦めたのか追手もほとんどかからなくなりました。ここで彼と別れることもできましたが、こんどは女性から笑顔で彼の手を取ります。
「もちろん、一緒に行きます。私がそうしたいから」
「なら、共にゆこうか」
すると彼はほっとした顔で初めて笑みを見せ、そうして元騎士と女性の旅は仲間と共に過ごす土地を探すものへと、その目的を変えたのでした――。
話はそこで区切られ、日によって違う物語へと続く。魔物を倒して村を救ったり、騎士が宝の地図で見つけたアクセサリーを女性に送ったり、自然の奥で精霊と出会ったり……胸躍る冒険は幼いセシリーを楽しませた。
そして終わりには決まって、サラはオーギュストにこう尋ねるのだ。
「とても素敵な時間でしたね、あなた?」
「……そうだったな」
「もちろん、一緒に行きます。私がそうしたいから」
「なら、共にゆこうか」
すると彼はほっとした顔で初めて笑みを見せ、そうして元騎士と女性の旅は仲間と共に過ごす土地を探すものへと、その目的を変えたのでした――。
話はそこで区切られ、日によって違う物語へと続く。魔物を倒して村を救ったり、騎士が宝の地図で見つけたアクセサリーを女性に送ったり、自然の奥で精霊と出会ったり……胸躍る冒険は幼いセシリーを楽しませた。
そして終わりには決まって、サラはオーギュストにこう尋ねるのだ。
「とても素敵な時間でしたね、あなた?」
「……そうだったな」