冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
魔法の特訓①
なんとかバレずにエイラの手を借りて自室に戻ったセシリー。
その後、ぼんやりと部屋で待つこと数時間。キースからだという、ややいわくありげな金属板が薄青く光る頃には、もう夕方になっていた。
――チリリリリリ……。
「ふわっ……一体何!? あ……連絡ってこれかぁ」
転寝をしていたセシリーの前で、テーブルに設置しておいた金属板が微かに震えて鈴のような音を出すと、それはやがて優雅な男声へと変化してゆく。
『……セシリーさん、聞こえていますか?』
「キースさん!? は、はいっ、大丈夫です!」
『よかった。お会いできなくて寂しかったですが、これでいつでも声が聞けるようになりましたね。ね、ロージー』
『寂しがってないわよっ! でも待ってるから――!』
まだ仕事の最中だったか、ロージーの声が近づいてはまた去ってゆく。キース共々それに苦笑した後、彼は真面目な声で本題を切り出した。
その後、ぼんやりと部屋で待つこと数時間。キースからだという、ややいわくありげな金属板が薄青く光る頃には、もう夕方になっていた。
――チリリリリリ……。
「ふわっ……一体何!? あ……連絡ってこれかぁ」
転寝をしていたセシリーの前で、テーブルに設置しておいた金属板が微かに震えて鈴のような音を出すと、それはやがて優雅な男声へと変化してゆく。
『……セシリーさん、聞こえていますか?』
「キースさん!? は、はいっ、大丈夫です!」
『よかった。お会いできなくて寂しかったですが、これでいつでも声が聞けるようになりましたね。ね、ロージー』
『寂しがってないわよっ! でも待ってるから――!』
まだ仕事の最中だったか、ロージーの声が近づいてはまた去ってゆく。キース共々それに苦笑した後、彼は真面目な声で本題を切り出した。