冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
『心配はありませんよ。本来魔力とは暴発するようなものではありませんから。我々が、口頭詠唱や魔法陣を起動して魔法を発動しているのは見たことがありますね?』
「あ、はい……」
『本来、魔法を起動するには必ず魔力を解き放つ鍵となるそれらの行動が伴う。にも拘わらず、セシリーさんの魔力は暴走した。それは、聖女という存在が特別な存在であり、力の発動形式が単なる魔法とは異なるからと言えるでしょう』
キースによれば、聖女の魔法は神から与えられた内なる魔力が強い祈りによって解放され、願う内容が実現されるという、通常の魔法とは異なる非論理的な仕組みに基づいたものだということだった。
『詳しく説明すると、通常の魔法とは異なり、現象を起こす為の魔法式の構築が不必要で……これはもしかすると、神々や天使が使用すると言われる奇跡と呼ばれるものに近い原理で作用しているのではないかとも言われており――』
「そ、その辺りはまだいいです! よく分からないので……」
すらすらと出て来るキースの講釈に頭がこんがらがったセシリーが話を中断させると、彼はやや残念そうに次の話に移った。
「あ、はい……」
『本来、魔法を起動するには必ず魔力を解き放つ鍵となるそれらの行動が伴う。にも拘わらず、セシリーさんの魔力は暴走した。それは、聖女という存在が特別な存在であり、力の発動形式が単なる魔法とは異なるからと言えるでしょう』
キースによれば、聖女の魔法は神から与えられた内なる魔力が強い祈りによって解放され、願う内容が実現されるという、通常の魔法とは異なる非論理的な仕組みに基づいたものだということだった。
『詳しく説明すると、通常の魔法とは異なり、現象を起こす為の魔法式の構築が不必要で……これはもしかすると、神々や天使が使用すると言われる奇跡と呼ばれるものに近い原理で作用しているのではないかとも言われており――』
「そ、その辺りはまだいいです! よく分からないので……」
すらすらと出て来るキースの講釈に頭がこんがらがったセシリーが話を中断させると、彼はやや残念そうに次の話に移った。