冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
再度立ち上がろうとしたものの、まともに足も動かせず、諦めて地面に転がるセシリー。明らか度を越えた痛みは、予想を大いに裏切るもので……呂律の回らぬ口で受け答えした後、脂汗を流しながらのたのたと地面を這い進んでいると、誰かの足音がした。
「御嬢様~、ものすごい音がしましたけれど……何をなさっているのですか? ……どっ、どうされました!? どこかお体が痛むのですか? 熱などは――」
(やばっ……!)
騒音に驚いたのか現れたエイラがドアを開け駆け寄ってきて、恐怖にセシリーは息を詰める。何しろこの敏感な状態で、もし強く抱きしめられたりでもしたら――。
「こ、来にゃいれ……にっ、ぁぁぁぁぁぁぁぁあ――!」
「御嬢様――!?」
「はふぅ……」
「御嬢様、御嬢様ーっ!」
案の定強く抱き起こされた体に、長時間地面に膝を折って座り続けた時のような痛みが駆け抜け、セシリーの魂が抜けた。
「御嬢様~、ものすごい音がしましたけれど……何をなさっているのですか? ……どっ、どうされました!? どこかお体が痛むのですか? 熱などは――」
(やばっ……!)
騒音に驚いたのか現れたエイラがドアを開け駆け寄ってきて、恐怖にセシリーは息を詰める。何しろこの敏感な状態で、もし強く抱きしめられたりでもしたら――。
「こ、来にゃいれ……にっ、ぁぁぁぁぁぁぁぁあ――!」
「御嬢様――!?」
「はふぅ……」
「御嬢様、御嬢様ーっ!」
案の定強く抱き起こされた体に、長時間地面に膝を折って座り続けた時のような痛みが駆け抜け、セシリーの魂が抜けた。