冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「い、一体どういう症状ですの……!? お医者様を! 誰か――!」
『くくく……す、すみません、そこにどなたかいらっしゃるのですか?』
脱力したセシリーを壊れ物のように下ろし、他の使用人に助けを求めようとしたエイラは目敏くテーブルの上の金属板が光るのに気付くと、キッと目を吊り上げた。
「魔道具……!? 今通信をかけてらっしゃるのはどなたですか? 御嬢様に何をしたのです!」
『申し訳ありません……っ今、セシリーさんは魔力知覚用の秘薬により体中が敏感になっている状態でして……うくく。い、いえ、まさかこれほどまでに効き目があるとは予想しておりませんでしたので、あまり刺激を与えないようにベッドにでも寝かせ、しばらく安静にっ……おほん。安静にさせてあげていただきたい――』
「なんですって!? 御嬢様にそんな変な薬を飲ませるなんて、一体何かあったらどう責任取るおつもりですの――!」
セシリーの絶叫が壺に入ったのか、キースの声は真面目を装ってはいたが要所要所で震えている。こんな状況を面白がる彼に怒りを伝えようと、エイラは両手をテーブルへバンバンと叩きつけた。
「ふざけておいでなんですの――!? あなたねえっ、魔法騎士団副団長だか何だか知りませんけれど、嫁入り前の令嬢を傷物にでもしたらどうやって責任取るつもりですの!? 許しませんわよ――――!!」
『くくく……す、すみません、そこにどなたかいらっしゃるのですか?』
脱力したセシリーを壊れ物のように下ろし、他の使用人に助けを求めようとしたエイラは目敏くテーブルの上の金属板が光るのに気付くと、キッと目を吊り上げた。
「魔道具……!? 今通信をかけてらっしゃるのはどなたですか? 御嬢様に何をしたのです!」
『申し訳ありません……っ今、セシリーさんは魔力知覚用の秘薬により体中が敏感になっている状態でして……うくく。い、いえ、まさかこれほどまでに効き目があるとは予想しておりませんでしたので、あまり刺激を与えないようにベッドにでも寝かせ、しばらく安静にっ……おほん。安静にさせてあげていただきたい――』
「なんですって!? 御嬢様にそんな変な薬を飲ませるなんて、一体何かあったらどう責任取るおつもりですの――!」
セシリーの絶叫が壺に入ったのか、キースの声は真面目を装ってはいたが要所要所で震えている。こんな状況を面白がる彼に怒りを伝えようと、エイラは両手をテーブルへバンバンと叩きつけた。
「ふざけておいでなんですの――!? あなたねえっ、魔法騎士団副団長だか何だか知りませんけれど、嫁入り前の令嬢を傷物にでもしたらどうやって責任取るつもりですの!? 許しませんわよ――――!!」