冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
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『素晴らしい! もう自らの魔力を操る感覚を手に入れたのですね、非常に順調です……。間違いなく、あなたは一流の魔導師になれる才能が有りますよ!』
「そんな。取りあえずなんとなく、ちょっとだけ引き出せるようになったってだけですし……」
魔導具越しのべた褒めに舌を出して照れながら、セシリーは練習の成果をキースへと報告する。あんなことを繰り返していたら、いつのまにか陽は昇り沈んでしまったようだ。集中していると一日が過ぎるのはとても早い。
『それを掴むのが難しいものなのですよ。できない人間は一カ月経とうが一年経とうが不可能ですから。昨日の薬での反応も、セシリーさんが魔力に対し至極繊細な感覚を持ち合わせている証拠ですね……この調子でどんどん先に進めましょう。ですが気を付けてください。魔力の使い過ぎは、体に悪影響を及ぼす恐れがあります。気分が悪くなったらすぐに中止し、しっかりとリラックスして休むように』
「はい。気を付けます……。でも、なるべく短時間でこの状態にたどり着けるようになったら、後はどうすればいいんですか?」
キースはひとつこほんと咳をして間を取り、セシリーに紙袋から青いガラス瓶に入った液体を取り出すよう指示する。
『素晴らしい! もう自らの魔力を操る感覚を手に入れたのですね、非常に順調です……。間違いなく、あなたは一流の魔導師になれる才能が有りますよ!』
「そんな。取りあえずなんとなく、ちょっとだけ引き出せるようになったってだけですし……」
魔導具越しのべた褒めに舌を出して照れながら、セシリーは練習の成果をキースへと報告する。あんなことを繰り返していたら、いつのまにか陽は昇り沈んでしまったようだ。集中していると一日が過ぎるのはとても早い。
『それを掴むのが難しいものなのですよ。できない人間は一カ月経とうが一年経とうが不可能ですから。昨日の薬での反応も、セシリーさんが魔力に対し至極繊細な感覚を持ち合わせている証拠ですね……この調子でどんどん先に進めましょう。ですが気を付けてください。魔力の使い過ぎは、体に悪影響を及ぼす恐れがあります。気分が悪くなったらすぐに中止し、しっかりとリラックスして休むように』
「はい。気を付けます……。でも、なるべく短時間でこの状態にたどり着けるようになったら、後はどうすればいいんですか?」
キースはひとつこほんと咳をして間を取り、セシリーに紙袋から青いガラス瓶に入った液体を取り出すよう指示する。