冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「これは……?」
『教会で清めてもらった聖水に、特殊な魔法薬を足したものです。魔法は奥が深い……属性や用途に応じた様々な魔法の系統など、本気で学ぶなら途方もない時間が必要です。ですが今あなたに率先して覚えてもらいたいのはそこではない。魔力を感じる術を覚えたのなら、少しずつそれを体から出し、操る感覚を身につけていきましょう』
キースはセシリーに、たらいに入れた水を用意させ、そこに薬を一滴垂らすよう命じた。
『魔力を帯びた状態で、そこに手を入れ、自分の体の一部であるかのように念じてください。手を動かさずに、水に何らかの動きが生じれば、それはあなたが水を魔力で動かすことができるようになったという証です』
セシリーは、一応何かあった時のために魔力封じの青い丸薬を傍に置くと、早速やってみた。しばらく目を閉じ魔力を体に行き渡らせると袖をまくり、水面に映る自分の瞳が光るのを確認してそろそろとたらいに手を入れたが、普通の水と違いは感じられない。水面に変化も無く……む~む~唸っていると、キースから次いで声が掛かった。
『なんらかのイメージを持つとよいですね。波紋を作る、かき混ぜる、気泡を作る、噴水のように上に打ち上げる……等々、色々試してみるといいかと。人によってやりやすい型は変わりますので』
『教会で清めてもらった聖水に、特殊な魔法薬を足したものです。魔法は奥が深い……属性や用途に応じた様々な魔法の系統など、本気で学ぶなら途方もない時間が必要です。ですが今あなたに率先して覚えてもらいたいのはそこではない。魔力を感じる術を覚えたのなら、少しずつそれを体から出し、操る感覚を身につけていきましょう』
キースはセシリーに、たらいに入れた水を用意させ、そこに薬を一滴垂らすよう命じた。
『魔力を帯びた状態で、そこに手を入れ、自分の体の一部であるかのように念じてください。手を動かさずに、水に何らかの動きが生じれば、それはあなたが水を魔力で動かすことができるようになったという証です』
セシリーは、一応何かあった時のために魔力封じの青い丸薬を傍に置くと、早速やってみた。しばらく目を閉じ魔力を体に行き渡らせると袖をまくり、水面に映る自分の瞳が光るのを確認してそろそろとたらいに手を入れたが、普通の水と違いは感じられない。水面に変化も無く……む~む~唸っていると、キースから次いで声が掛かった。
『なんらかのイメージを持つとよいですね。波紋を作る、かき混ぜる、気泡を作る、噴水のように上に打ち上げる……等々、色々試してみるといいかと。人によってやりやすい型は変わりますので』