冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「どうか、ふたりを……」
「わかっています。向こうに付いたらすぐ、必ずセシリーたちの無事を知らせますから、待っていて下さい。キース、彼女を休めるところへ」
「ええ、こちらのことは任せてください。では、お気をつけて」
そんなエイラの肩を優しく叩くとリュアンはすぐに身をひるがえし……ラケルも小さく頭を下げると、扉の裏で成り行きを見守っていたウィリーに激励され、後を追う。
ロージーに断わって、物資の倉庫で旅支度を整えるリュアンの顔付きはなおも険しい。
(一体、団長は……僕らに何を隠してるんだ)
大きな疑念を胸に抱きながらも、ラケルは手早く外套を着こみ、皮の背負い袋を肩に掛けると彼の指示に従って馬に乗り込み本部を出発したのだったが――。
「わかっています。向こうに付いたらすぐ、必ずセシリーたちの無事を知らせますから、待っていて下さい。キース、彼女を休めるところへ」
「ええ、こちらのことは任せてください。では、お気をつけて」
そんなエイラの肩を優しく叩くとリュアンはすぐに身をひるがえし……ラケルも小さく頭を下げると、扉の裏で成り行きを見守っていたウィリーに激励され、後を追う。
ロージーに断わって、物資の倉庫で旅支度を整えるリュアンの顔付きはなおも険しい。
(一体、団長は……僕らに何を隠してるんだ)
大きな疑念を胸に抱きながらも、ラケルは手早く外套を着こみ、皮の背負い袋を肩に掛けると彼の指示に従って馬に乗り込み本部を出発したのだったが――。