冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「あなたたち~、もうそろそろお終いにしなさい。消灯時間になるわよ――」
外野からの声で、集中が乱れた。
――ぱちこーん。
「いたぁっ!」
たちまち魔力のコントロールを誤ると、人形の一体がセシリーの額を直撃し、そしてもう一体は目的地とは遠く離れたあらぬところに転がってしまう。途端、失敗のペナルティとして幻影の火花が散るとともに、いくつかの人形がセシリーの側の小箱へとひとりでに戻ってゆく。
「きゃあああああっ……またやった! うそーっ!」
「あら~残念。あたしは今の間にさらに追加で兵を送らせていただきますよ」
マーシャが頭を抱えるセシリーをくすくす笑うと、手元にあった山札から一枚のカードを引き、棒を構えた。するとセシリーの時とは違い、彼女側の小箱から兵隊がひとりでに板の上を移動し、カードに記された位置にぴたりと納まる。
外野からの声で、集中が乱れた。
――ぱちこーん。
「いたぁっ!」
たちまち魔力のコントロールを誤ると、人形の一体がセシリーの額を直撃し、そしてもう一体は目的地とは遠く離れたあらぬところに転がってしまう。途端、失敗のペナルティとして幻影の火花が散るとともに、いくつかの人形がセシリーの側の小箱へとひとりでに戻ってゆく。
「きゃあああああっ……またやった! うそーっ!」
「あら~残念。あたしは今の間にさらに追加で兵を送らせていただきますよ」
マーシャが頭を抱えるセシリーをくすくす笑うと、手元にあった山札から一枚のカードを引き、棒を構えた。するとセシリーの時とは違い、彼女側の小箱から兵隊がひとりでに板の上を移動し、カードに記された位置にぴたりと納まる。