冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
一度だけレミュールと交代してもらったのだが、その時は盤上で別次元の戦いが繰り広げられ、兵士たちが戦場を縦横無尽に駆けまわり、小爆発や旋風、氷塊や落雷などの迫力ある幻影が飛び交っていた。どうやら、玄人向けのルールや、魔力を込めることで豪華になる演出などが多数用意されているらしい。
この商品自体はセシリーもクライスベル商会で取り扱っていたのを見た事があったが、魔導具扱いだったので実際には遊んでみたことはなかった。ファーリスデル国で販売されている物とは、ところどころ細部が異なっているように感じる。
「も、もう一回だけ! そろそろコツが掴めてきたところで……」
「レミュールもああ言ってますし、今日はここまでにしましょう。そのうちすぐ勝てるようになりますよ。ここで暮らす内に魔力の扱いにはすぐに慣れますから。なんせ、生活用品のほとんどが魔道具ですもの」
マーシャが言うようにここでは、筆記具から部屋の鍵、風呂や水道、ランプに至るまでが定期的に自ら魔力を補充する必要がある代物で、侍女たちに多くのことを任せられず、清掃なども自分たちでこなしているのはこのせいもあるようだ。
その甲斐あってか、マーシャもレミュールも魔法騎士団の面々にも劣らぬくらいの立派な魔法使いだ。聖女の血筋など引いていなければ、もしかしたら母のように宮廷魔術師として働いていたのかもなどとセシリーは思う。
この商品自体はセシリーもクライスベル商会で取り扱っていたのを見た事があったが、魔導具扱いだったので実際には遊んでみたことはなかった。ファーリスデル国で販売されている物とは、ところどころ細部が異なっているように感じる。
「も、もう一回だけ! そろそろコツが掴めてきたところで……」
「レミュールもああ言ってますし、今日はここまでにしましょう。そのうちすぐ勝てるようになりますよ。ここで暮らす内に魔力の扱いにはすぐに慣れますから。なんせ、生活用品のほとんどが魔道具ですもの」
マーシャが言うようにここでは、筆記具から部屋の鍵、風呂や水道、ランプに至るまでが定期的に自ら魔力を補充する必要がある代物で、侍女たちに多くのことを任せられず、清掃なども自分たちでこなしているのはこのせいもあるようだ。
その甲斐あってか、マーシャもレミュールも魔法騎士団の面々にも劣らぬくらいの立派な魔法使いだ。聖女の血筋など引いていなければ、もしかしたら母のように宮廷魔術師として働いていたのかもなどとセシリーは思う。