冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「キースさんからです……ここでいいですか?」
「緊急だし構うまい……キース、聞こえているか?」
『……よかった。団長も一緒に居るのですね。今どちらに?』
「ガレイタムの王都でオーギュスト氏と会っている。セシリーは予想通り、ガレイタム王家に月の聖女として拘束されたようだ」
『ええ……噂には聞いています。そこで実はある方に助力を頼むことができましてね……。あなたの事情ですとそう簡単にガレイタム王家と接触は図れないはずですので、その辺りも考えて彼にうまくそちらの王太子との面談を取り付けてもらいました。二、三日もすればそちらに着くはずなので、あらかじめ指定した宿で待機し、その後の段取りは彼に聞いてください』
「本当か!? 助かった……そちらは特に異常はないか?」
『団長が不在という状況が既に異常ですから、それ以上はありませんよ。ああ、それとそこにオーギュスト氏はいらっしゃいますか?』
皮肉めいた発言に思わず苦笑したリュアンに代わり、オーギュストが声を掛ける。
「ええ……話は聞いています。なにか私個人に」
「緊急だし構うまい……キース、聞こえているか?」
『……よかった。団長も一緒に居るのですね。今どちらに?』
「ガレイタムの王都でオーギュスト氏と会っている。セシリーは予想通り、ガレイタム王家に月の聖女として拘束されたようだ」
『ええ……噂には聞いています。そこで実はある方に助力を頼むことができましてね……。あなたの事情ですとそう簡単にガレイタム王家と接触は図れないはずですので、その辺りも考えて彼にうまくそちらの王太子との面談を取り付けてもらいました。二、三日もすればそちらに着くはずなので、あらかじめ指定した宿で待機し、その後の段取りは彼に聞いてください』
「本当か!? 助かった……そちらは特に異常はないか?」
『団長が不在という状況が既に異常ですから、それ以上はありませんよ。ああ、それとそこにオーギュスト氏はいらっしゃいますか?』
皮肉めいた発言に思わず苦笑したリュアンに代わり、オーギュストが声を掛ける。
「ええ……話は聞いています。なにか私個人に」