冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「ごめんなさい……もう時間みたい。皆、手を握っていてくれる?」
ラナの言葉に……友たちは誰も何も言わず、彼女の手の上にそっと自分のものを重ねた。話すことは尽きても、目の前から消えても……決していつまでも彼女との繋がりが消えないように願って。
「ああ、あったかい……なんて素敵な人生だったんだろう。ここに生まれてきてよかった。皆と会えて、幸せだった」
眠たげにその瞳が閉じられてゆく。
そして……最後にほのかな光の粒が体から抜け出すと、ゆったりとそれぞれの目の前をかすめるように飛び、空へと還ってゆく。『ありがとう』――伝えきれない感謝を込めた一言を、かけがえのない友たちに贈って。
それを受け取った彼らはしばらくの間、無限に広がる青い空をただ、見つめていた。
ラナの言葉に……友たちは誰も何も言わず、彼女の手の上にそっと自分のものを重ねた。話すことは尽きても、目の前から消えても……決していつまでも彼女との繋がりが消えないように願って。
「ああ、あったかい……なんて素敵な人生だったんだろう。ここに生まれてきてよかった。皆と会えて、幸せだった」
眠たげにその瞳が閉じられてゆく。
そして……最後にほのかな光の粒が体から抜け出すと、ゆったりとそれぞれの目の前をかすめるように飛び、空へと還ってゆく。『ありがとう』――伝えきれない感謝を込めた一言を、かけがえのない友たちに贈って。
それを受け取った彼らはしばらくの間、無限に広がる青い空をただ、見つめていた。