冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
リュアンの話によれば、彼らがガレイタムの王都へと入ってオーギュストと合流した際……キースからラケル所持の通信用魔道具に連絡が入ったそうだ。
書類を準備万端整えた王太子が合流した後、彼が予め準備させていたジェラルドとの面談を利用し、セシリーの身柄を取り返す――そんな一連の計画が向こうでは急遽でっち上げられていて、多少の無茶はあったが、予定外の事象も相まってなんとかことは丸く収まった。
ちなみにレオリン王太子は爽やかな笑顔を残し、あの後すぐファーリスデル王国へととんぼ返りして行った。彼らの計画が上手くいったのは行動力の塊のような王太子のおかげなので、また会った際には是非お礼を言わなければと、セシリーは胸に刻んでおく。
「なぁんだ。じゃ、あれはあくまでお芝居なんですよね? そりゃそっか……」
安心、がっかりの比率が七対三、いや六対四くらいかなぁと、セシリーが自己分析する隣で、リュアンはぼそっとこぼした。
「俺はまあ……あのままお前がサインしてくれても、別に。なんなら――」
「えっ」
書類を準備万端整えた王太子が合流した後、彼が予め準備させていたジェラルドとの面談を利用し、セシリーの身柄を取り返す――そんな一連の計画が向こうでは急遽でっち上げられていて、多少の無茶はあったが、予定外の事象も相まってなんとかことは丸く収まった。
ちなみにレオリン王太子は爽やかな笑顔を残し、あの後すぐファーリスデル王国へととんぼ返りして行った。彼らの計画が上手くいったのは行動力の塊のような王太子のおかげなので、また会った際には是非お礼を言わなければと、セシリーは胸に刻んでおく。
「なぁんだ。じゃ、あれはあくまでお芝居なんですよね? そりゃそっか……」
安心、がっかりの比率が七対三、いや六対四くらいかなぁと、セシリーが自己分析する隣で、リュアンはぼそっとこぼした。
「俺はまあ……あのままお前がサインしてくれても、別に。なんなら――」
「えっ」