冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
あの後、オーギュストやリュアンと共に出国したセシリーは、王家の所有する魔法の車を一台与えられ、それで三日もかからずこの国に帰ってくることができた。道中誰が運転するのかでリュアンと揉めたり、試作品であったため動作不良を起こしたのを修理するため、一晩車中泊をしたり……なにくれとあったのだけど、それはまた別の話。
「忙しい時に急に抜けちゃってごめんなさい」
「気にしないでいいわよ。ちょっと前までひとりでどうにかしてたんだから。ま、ちょっとだけ寂しかったけどさ」
「ちょっとだけですか~……?」
通信用魔道具で話した時のことを思いだし、セシリーはにまっと口元を緩めロージーの肩を突く。
「こら、大人をからかわないの」「あうっ」
すると彼女はセシリーの鼻をふにっとつまみ、窘める。そんな優しい罰を受けた後、ロージーは首を傾げて笑う。
「エイラさん、元気にしてる? セシリーが向こうの国に行った後、心配で倒れちゃったのよ」
「はい、聞きました。今はなんともないって言ってましたけど……」
「忙しい時に急に抜けちゃってごめんなさい」
「気にしないでいいわよ。ちょっと前までひとりでどうにかしてたんだから。ま、ちょっとだけ寂しかったけどさ」
「ちょっとだけですか~……?」
通信用魔道具で話した時のことを思いだし、セシリーはにまっと口元を緩めロージーの肩を突く。
「こら、大人をからかわないの」「あうっ」
すると彼女はセシリーの鼻をふにっとつまみ、窘める。そんな優しい罰を受けた後、ロージーは首を傾げて笑う。
「エイラさん、元気にしてる? セシリーが向こうの国に行った後、心配で倒れちゃったのよ」
「はい、聞きました。今はなんともないって言ってましたけど……」