冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
公爵家嫡男の破滅
会談当日、王城の会議場のひとつに集められたセシリーたちは、ファーリスデル国王の登場を静かに待っていた。
(お父様……体の調子でも悪いのかしら。なんだか顔色が悪い……)
セシリーは隣に座る父オーギュストを心配して目線を膝の上に落とす。
――レオリンとフレアとの対話から戻った後、自宅には父が帰って来ていた。
セシリーがルバートを無事助け出したことを告げると感謝の言葉をくれたが、その後も彼の顔色は優れず、どこで何をしていたのかは教えてくれなかった。
後日、王城にて行われる会談には父の出席も求められていたため、それを伝えると……彼は何か考え込むようにしたあと、重々しく頷いただけだったのだ――。
(お父様……体の調子でも悪いのかしら。なんだか顔色が悪い……)
セシリーは隣に座る父オーギュストを心配して目線を膝の上に落とす。
――レオリンとフレアとの対話から戻った後、自宅には父が帰って来ていた。
セシリーがルバートを無事助け出したことを告げると感謝の言葉をくれたが、その後も彼の顔色は優れず、どこで何をしていたのかは教えてくれなかった。
後日、王城にて行われる会談には父の出席も求められていたため、それを伝えると……彼は何か考え込むようにしたあと、重々しく頷いただけだったのだ――。