冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「では、次いでリュアン氏側の主張を伺いましょう」
「では私が……店長殿、喫茶店の件について証言をお願いします」
挙手して席を立ったのはキースだ。本人が抗弁するより第三者が立った方が説得力があるとみたのだろう。彼はオーギュストの隣に座るひとりの証人を差した。セシリーは、その人物が話し始めるのを聞いて、やっとそれが誰かを思いだす。
「マイルズ氏の主張は間違いです。私は氏が問題を起こした喫茶店の経営者でして、後から入店した彼がリュアン氏とセシリー嬢に強引に席を譲るよう強要し、暴行に及んだのを見ました。リュアン氏が行動したのは彼を制止するためにやむなくであり、複数の従業員からも同じように聞いています。その件に関して彼に罪は無いはずです!」
あの時帰りにケーキを持たせてくれた店長ではないか。彼は後々貴族に睨まれる危険を顧みず、勇気を出して協力を申し出てくれたのだ……。そしてキースが次いで彼らの悪事を指摘してゆく。
「では私が……店長殿、喫茶店の件について証言をお願いします」
挙手して席を立ったのはキースだ。本人が抗弁するより第三者が立った方が説得力があるとみたのだろう。彼はオーギュストの隣に座るひとりの証人を差した。セシリーは、その人物が話し始めるのを聞いて、やっとそれが誰かを思いだす。
「マイルズ氏の主張は間違いです。私は氏が問題を起こした喫茶店の経営者でして、後から入店した彼がリュアン氏とセシリー嬢に強引に席を譲るよう強要し、暴行に及んだのを見ました。リュアン氏が行動したのは彼を制止するためにやむなくであり、複数の従業員からも同じように聞いています。その件に関して彼に罪は無いはずです!」
あの時帰りにケーキを持たせてくれた店長ではないか。彼は後々貴族に睨まれる危険を顧みず、勇気を出して協力を申し出てくれたのだ……。そしてキースが次いで彼らの悪事を指摘してゆく。