冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
クライスベル邸への来訪者②
ラケルに送られ、クライスベル伯爵邸へと帰還したセシリー。父オーギュストが魔法騎士団からの来客をもてなしていくれていると聞いて、彼女はすぐさまラケルもお茶に誘うと、応接室へ向かう。
室内からは和やかに談笑する声が響いてくる。扉の前でノックして背筋を伸ばしたセシリーは、部屋に入るとなるべくお淑やかに聞こえそうな声を意識しつつ、深くお辞儀をした。
「申し訳ありませんでしたお二方、入れ違いになってしまいまして……。改めまして私、クライスベル伯爵が娘、セシリー・クライスベルと申します。昨日は危ない所を救っていただきどうもありがとうございました」
すると侍女から聞かされていた通り、ふたりの男性騎士と目が合う。
騎士たちは目線を後ろのラケルに送った後すっと立ち、セシリーの前に進み出て、無駄を省いた美しい所作で一礼してくれた。
「いや、こちらこそ先日は失礼した、セシリー嬢。改めて名乗らせていただこう。ファーリスデル王国魔法騎士団十二代目団長、リュアン・ヴェルナーだ」
室内からは和やかに談笑する声が響いてくる。扉の前でノックして背筋を伸ばしたセシリーは、部屋に入るとなるべくお淑やかに聞こえそうな声を意識しつつ、深くお辞儀をした。
「申し訳ありませんでしたお二方、入れ違いになってしまいまして……。改めまして私、クライスベル伯爵が娘、セシリー・クライスベルと申します。昨日は危ない所を救っていただきどうもありがとうございました」
すると侍女から聞かされていた通り、ふたりの男性騎士と目が合う。
騎士たちは目線を後ろのラケルに送った後すっと立ち、セシリーの前に進み出て、無駄を省いた美しい所作で一礼してくれた。
「いや、こちらこそ先日は失礼した、セシリー嬢。改めて名乗らせていただこう。ファーリスデル王国魔法騎士団十二代目団長、リュアン・ヴェルナーだ」