冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「おや、そこにいらっしゃるのはセシリー嬢では?」
「……ジョンさん、お久しぶりです!」
男性の方は面識があり、品よく微笑む隣の女性は奥方だろうか。セシリーは慌ててリュアンに説明した。
「こちら、ジョン・オーランドさんです。ええと、ラケルの魔法のお師匠様で、王都で魔道具やお薬を販売してらっしゃるんです」
「ああ、話には伺っている。ジョン殿、お初にお目にかかります。私は魔法騎士団団長、リュアン・ヴェルナーという者です」
「これはこれはご丁寧に。私はジョン・オーランドと言いまして、こちらは私の妻ジェニーです。一応伯爵家の生まれではありますが、しがない次男坊で爵位も持たぬ一介の魔法使いですから、このような似つかわしくない場では正直どうしてよいかわかりませんでな。こうしてお付き合いをいただいているお知り合いの方々にご挨拶して回っているというわけです」
普段はあまり出席する機会は無いようなのだが、奥方の年齢が節目を迎えたお祝いに一度訪れてみたのだそうだ。礼服に身を包んだ彼の魔法使い然とした長髪は丁寧に整えられ今は後ろで一つ括られている。
「……ジョンさん、お久しぶりです!」
男性の方は面識があり、品よく微笑む隣の女性は奥方だろうか。セシリーは慌ててリュアンに説明した。
「こちら、ジョン・オーランドさんです。ええと、ラケルの魔法のお師匠様で、王都で魔道具やお薬を販売してらっしゃるんです」
「ああ、話には伺っている。ジョン殿、お初にお目にかかります。私は魔法騎士団団長、リュアン・ヴェルナーという者です」
「これはこれはご丁寧に。私はジョン・オーランドと言いまして、こちらは私の妻ジェニーです。一応伯爵家の生まれではありますが、しがない次男坊で爵位も持たぬ一介の魔法使いですから、このような似つかわしくない場では正直どうしてよいかわかりませんでな。こうしてお付き合いをいただいているお知り合いの方々にご挨拶して回っているというわけです」
普段はあまり出席する機会は無いようなのだが、奥方の年齢が節目を迎えたお祝いに一度訪れてみたのだそうだ。礼服に身を包んだ彼の魔法使い然とした長髪は丁寧に整えられ今は後ろで一つ括られている。