冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
魔力を温存しようとしたのか、馬上のレオリンが長剣を抜いて魔物の腕の一本を切り離す。だが傷はすぐに繋がり、元通り腕を振り回し始めたため、やむなく彼は魔法で呼び出した魔力の剣で、頭から一刀両断した。
兵士たちは攻撃力の高い魔法を扱えるものを先頭に置き、魔物の大軍を蹴散らし進む。だがその数は膨大で、力を温存するように言われていたリュアンたちも手を貸そうとするものの、周りに止められる。
「聖女様と守り役の方は力を温存していて下さい!」
「我々を信じて! 必ずあなた方を無事に送り届けます!」
(ありがとう……)
果敢に魔物たちと立ち向かう兵士たちにセシリーはせめて祈る。どうか彼らが無事に家族の元へ帰れますようにと。
今はまださほど瘴気の影響はないが、これから近づくにつれそれはどんどん生命力を奪ってゆくだろう。兵士たちにも渡した小さなチャームのような魔道具がここからは存分に力を発揮してくれるはずだ。瘴気を防ぐために多大な魔力を浪費せずに済み、セシリーはこれをくれたティシエルに感謝する。
兵士たちは攻撃力の高い魔法を扱えるものを先頭に置き、魔物の大軍を蹴散らし進む。だがその数は膨大で、力を温存するように言われていたリュアンたちも手を貸そうとするものの、周りに止められる。
「聖女様と守り役の方は力を温存していて下さい!」
「我々を信じて! 必ずあなた方を無事に送り届けます!」
(ありがとう……)
果敢に魔物たちと立ち向かう兵士たちにセシリーはせめて祈る。どうか彼らが無事に家族の元へ帰れますようにと。
今はまださほど瘴気の影響はないが、これから近づくにつれそれはどんどん生命力を奪ってゆくだろう。兵士たちにも渡した小さなチャームのような魔道具がここからは存分に力を発揮してくれるはずだ。瘴気を防ぐために多大な魔力を浪費せずに済み、セシリーはこれをくれたティシエルに感謝する。