冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
受付係の勘違い①
あくる日、セシリーは再び意に沿まぬ形で魔法騎士団本部へと赴かされていた。
「はぁ……。なんで私がこんなことしなくっちゃいけないの。お父様の考え無し!」
結局あの後収拾がつかなくなったため、リュアンとキースはクライスベル邸を退出し、後日彼女がオーギュストの代理で物品販売の交渉役として派遣されることになった。こういった仕事は本来ならばクライスベル商会の商会員が務めるべきなので、セシリーは強引に押し付けた父に不満たらたらである。
輝くような美男美女に羨望の眼差しを向けながら、道の端を遠慮がちに歩くと彼女はやがて、敷地の一角にある魔法騎士団本部にたどり着いた。今日は隣にラケルがいないから少し緊張するが、深呼吸をした後、思い切って建物の内部に踏み込む。
「あの、すみませ~ん! 私クライスベル商会から参りました、セシリーと申します! 父オーギュストの名代で物品販売の交渉役を仰せつかりまして……って、あれ?」
「はぁ……。なんで私がこんなことしなくっちゃいけないの。お父様の考え無し!」
結局あの後収拾がつかなくなったため、リュアンとキースはクライスベル邸を退出し、後日彼女がオーギュストの代理で物品販売の交渉役として派遣されることになった。こういった仕事は本来ならばクライスベル商会の商会員が務めるべきなので、セシリーは強引に押し付けた父に不満たらたらである。
輝くような美男美女に羨望の眼差しを向けながら、道の端を遠慮がちに歩くと彼女はやがて、敷地の一角にある魔法騎士団本部にたどり着いた。今日は隣にラケルがいないから少し緊張するが、深呼吸をした後、思い切って建物の内部に踏み込む。
「あの、すみませ~ん! 私クライスベル商会から参りました、セシリーと申します! 父オーギュストの名代で物品販売の交渉役を仰せつかりまして……って、あれ?」