冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
リュアンに腕を引っ張り起こされたラケルはその手を振り払い背を向けた。
「僕に……彼女と会う資格は」
「口を閉じろ」
そんなラケルは頬に思いっきりリュアンの鉄拳制裁を受け吹き飛ぶ。
頬を押さえるラケルの襟首を、リュアンは憤怒の表情で掴み上げる。
「――――――っ!」
「いい加減にしろ! お前が居なくなってどれだけセシリーが気に病んだと思ってる! あいつにも当然謝らせる! 来い!」
「わ、わかりましたから……。って、あれ……リルルお前は? 来ないのか?」
(ボクは、着いて来てくれたみんなの面倒を見なきゃいけないから、ここに残らなきゃ。早く帰ってきなよ? そうしないと、兄の座は強制的に僕のものになるんだからね)
リルルは首を、もう一方の戦場へ向けた。レオリンが率いる部隊も、白狼たちの支援を受け無事黒い大蛇を倒したようだ。他の魔物も多対一で着々と処理されつつある。
「僕に……彼女と会う資格は」
「口を閉じろ」
そんなラケルは頬に思いっきりリュアンの鉄拳制裁を受け吹き飛ぶ。
頬を押さえるラケルの襟首を、リュアンは憤怒の表情で掴み上げる。
「――――――っ!」
「いい加減にしろ! お前が居なくなってどれだけセシリーが気に病んだと思ってる! あいつにも当然謝らせる! 来い!」
「わ、わかりましたから……。って、あれ……リルルお前は? 来ないのか?」
(ボクは、着いて来てくれたみんなの面倒を見なきゃいけないから、ここに残らなきゃ。早く帰ってきなよ? そうしないと、兄の座は強制的に僕のものになるんだからね)
リルルは首を、もう一方の戦場へ向けた。レオリンが率いる部隊も、白狼たちの支援を受け無事黒い大蛇を倒したようだ。他の魔物も多対一で着々と処理されつつある。