お姉ちゃん!
ダンスが終わって、退場して来た杏。

クラスの席には戻らずあたしの所に走ってきた。


「どうしたぁー...杏」


あたしは汗だくの杏をだっこした。


「はい、タオルどうぞっ」


梅がタオルをくれる。


「ありがとね」

「わかんなくなっちゃったのー...(泣)」


ついに杏は泣き出してしまった。


「大丈夫、大丈夫...」


あたしは赤ちゃんをあやすみたいに杏をあやした。


「あそこで逃げなかった杏、すっげーかっこいいよ」


桃が言う。

するとピタッと涙が止まった。


「うん、かっこよかった」


準ちゃんも言ってくれた。
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