6月、高嶺の花を摘みに
途端に手首をガシッと捕まれ、端の先に摘まれた唐揚げが男の口に運ばれた。
「……っちょっ、何して……」
初めて彼の顔をしっかり見たかもしれない。
もし私が本当にこいつにぶつかられたとしたら。
私の口をつけた唐揚げなんか食べたらダメだと思う。
良くないやつのくせに、顔だけはいいのか。
「おお、うっま」
「うっまじゃないんです! それ私のなんですよ⁉︎」
「だって美味そうだったし、実際美味いし」
――死ねぇー……。
なんだよ、初対面で(ぶつかられたやつかもしれないけど)そんな勝手に人のを食べるのはどうかと思う。
「関節キス、だね」
許せない。
関節キス、を強調してくるその性格も許せない。
さっき謝ってたあいつはどこに行ったよ。
「はぁ……」
堂々と大きなため息をついてからすぐに食べ終わってお会計を済ました。
*
「……っちょっ、何して……」
初めて彼の顔をしっかり見たかもしれない。
もし私が本当にこいつにぶつかられたとしたら。
私の口をつけた唐揚げなんか食べたらダメだと思う。
良くないやつのくせに、顔だけはいいのか。
「おお、うっま」
「うっまじゃないんです! それ私のなんですよ⁉︎」
「だって美味そうだったし、実際美味いし」
――死ねぇー……。
なんだよ、初対面で(ぶつかられたやつかもしれないけど)そんな勝手に人のを食べるのはどうかと思う。
「関節キス、だね」
許せない。
関節キス、を強調してくるその性格も許せない。
さっき謝ってたあいつはどこに行ったよ。
「はぁ……」
堂々と大きなため息をついてからすぐに食べ終わってお会計を済ました。
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