元彼専務の十年愛
紗知は知らないだろう。
あの小説にはもうひとつの結末があることを。
自分を奮起させるためにあの小説を執務室に置いていて、それを見た秘書室の女性が教えてくれた。
結末があまりにも切なすぎるという読者の声を受け、出版から数年後に、著者が同じタイトルで違う結末のストーリーを書いていたのだ。
紗知が残していった小説の表紙絵はふたりが背中合わせになっているが、もう一冊のほうは、向かい合い手を取り合っている絵になっている。
令息が主人公の残した手紙を見つけ、そのメッセージに胸を打たれて身分を捨てる決意をする。そして数年を費やして彼女を探し出し、貧しいながらもふたり幸せに暮らしていくというハッピーエンドだ。
紗知の誕生日には、指輪と一緒にその本もプレゼントしようと思う。
仕事は隆司のサポートのおかげで片付く目処が立ち、紗知の誕生日にはなんとか間に合いそうだ。
ずいぶんと遠回りをしたが、これからはずっと君のそばにいる。
永遠に続く愛を、君に捧げよう。
あの小説にはもうひとつの結末があることを。
自分を奮起させるためにあの小説を執務室に置いていて、それを見た秘書室の女性が教えてくれた。
結末があまりにも切なすぎるという読者の声を受け、出版から数年後に、著者が同じタイトルで違う結末のストーリーを書いていたのだ。
紗知が残していった小説の表紙絵はふたりが背中合わせになっているが、もう一冊のほうは、向かい合い手を取り合っている絵になっている。
令息が主人公の残した手紙を見つけ、そのメッセージに胸を打たれて身分を捨てる決意をする。そして数年を費やして彼女を探し出し、貧しいながらもふたり幸せに暮らしていくというハッピーエンドだ。
紗知の誕生日には、指輪と一緒にその本もプレゼントしようと思う。
仕事は隆司のサポートのおかげで片付く目処が立ち、紗知の誕生日にはなんとか間に合いそうだ。
ずいぶんと遠回りをしたが、これからはずっと君のそばにいる。
永遠に続く愛を、君に捧げよう。