元彼専務の十年愛
4. 距離
パーティー当日。
この前選んだドレスを身に纏い、ヘアメイクをしてもらった。
髪の毛は毛先を緩く巻いてハーフアップに。
今までパーマをかけたことがなく、常にストレートヘアだったから新鮮だ。
メイクも普段よりずっと濃いし、自分じゃないみたいで姿見を直視できない。
先日サロンでドレスを選んだ時よりもさらに恥ずかしくていたたまれない気持ちになる。
会社に寄っていた颯太は私より遅れてサロンに入店していたけれど、男性のヘアセットはあっという間に終わるため、私のヘアメイクが終わるのを待っていてくれたようだ。
ソファでタブレットを手に座っていた颯太に、ドキッと胸が跳ねる。
いつもおろしている前髪はツーブロックにセットされていて、グレーのストライプのスーツにワインレッドのリボンタイ。
仕事で着るスーツと違い、遊び心が感じられて雰囲気が違う。
こちらに気づいた颯太が立ち上がり、目を細めて穏やかに微笑む。
「…いいな。綺麗だ」
再び胸が鳴って顔が火照り、思わずドレスの端をぎゅっと掴んで俯いた。
この前選んだドレスを身に纏い、ヘアメイクをしてもらった。
髪の毛は毛先を緩く巻いてハーフアップに。
今までパーマをかけたことがなく、常にストレートヘアだったから新鮮だ。
メイクも普段よりずっと濃いし、自分じゃないみたいで姿見を直視できない。
先日サロンでドレスを選んだ時よりもさらに恥ずかしくていたたまれない気持ちになる。
会社に寄っていた颯太は私より遅れてサロンに入店していたけれど、男性のヘアセットはあっという間に終わるため、私のヘアメイクが終わるのを待っていてくれたようだ。
ソファでタブレットを手に座っていた颯太に、ドキッと胸が跳ねる。
いつもおろしている前髪はツーブロックにセットされていて、グレーのストライプのスーツにワインレッドのリボンタイ。
仕事で着るスーツと違い、遊び心が感じられて雰囲気が違う。
こちらに気づいた颯太が立ち上がり、目を細めて穏やかに微笑む。
「…いいな。綺麗だ」
再び胸が鳴って顔が火照り、思わずドレスの端をぎゅっと掴んで俯いた。