□TRIFLE□編集者は恋をする□


 

「あの……、片桐」

「なに?」

「続き、してもいいよ?」

俯いて小声でそう言った私を「無理すんな」と、片桐は軽く流す。

「別に無理してないよ」

私がそう言うと、片桐は切れ長の瞳をこちらにむけて小さく笑った。

「じゃあはっきり言えよ」

「え?」

「どうして欲しいか言えよ」

「……っ」

真っ黒な瞳に見つめられ、さらに身体がきゅっと疼く。
思わず擦り合わせた私の膝に、片桐が顔を寄せ私の目を見ながら舌を這わせた。
膝から太ももへ、ゆっくりと移動する片桐の唇。

「あ……っ!」

ぞくぞくっと駆け上がる快感に腰が浮く。
思わず声をあげる私を、熱を持った黒い瞳がまっすぐに見つめていた。
その瞳に見つめられると、乱暴に抱きしめてめちゃくちゃにしてほしくなる。
身体の中でどろどろに溶けた欲情が、今にも沸騰して溢れだしそうだ。

「や、片桐……っ!」

「何?」

「意地悪しないで、さっきの続きして……っ」

涙目でそう訴えると、片桐は笑いながら私の体に巻かれたバスタオルをはぎ取った。
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