□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

「ふーん。片桐彼女いたのね。意外だわ」

「え、意外ですか?あんなにかっこいい男の人に、彼女がいない方が不思議ですよ」

「まぁ確かにイイ男だけど、特定の女の気配がしないじゃない」

「まぁ、そう言われればそうかも」

「でもその辺をちゃんと確認しない平井が迂闊よね」

「そうですよ!先に彼女がいるってちゃんと宣言されてるのにすっかり忘れてるとか、バカですよバカ!」

言いたい放題の二人に、私は返す言葉もなく項垂れる。

「片桐さんの立場からしたら、彼女がいるって知ってるのに何回もエッチしちゃうって、確実に都合のいい女になってますよ平井さん」

そうなだよね。
片桐ははっきり彼女がいるって言ってたもんね。
それなのに、迫られるままセックスはしちゃうし、一緒にお風呂に入っちゃうし。
私はなにをしてるんだろう。
もう自己嫌悪で泣きたくなる。

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