□TRIFLE□編集者は恋をする□
「いやなら断ってもいいぞ」
「やります!」
詳しい説明も聞いていないのに即答した私を見て、編集長は呆れたように鼻で笑った。
「やるのはいいけど、TRIFLEの編集も今まで通りやってもらうからな。過労死したってしらねーぞ」
「忙しいのは慣れてるので平気です」
「じゃあ成図社の編集のチーフが今度北海道に来るから、一回会って話聞いてみろ」
「はい」
むしろ、忙しい方がいい。
余計な事を悩む暇はない方が楽だし、片桐の顔を合わせる機会も減るから。
そんな事を考えてしまう私は、やっぱり仕事に逃げているんだろう。
「え。平井さん、TRIFLEだけでこんなに忙しいのに、他にも仕事抱え込もうとしてるんですか?プライベートの時間なくなりますよ!もうすぐ12月ですよ!クリスマスですよ!!」
近くで話を聞いていたデガワが、驚いて目を見開いた。
「私仕事好きだからいいの」
「信じらんない!本当に仕事バカなんだからっ!!!」
なんだか最近デガワに怒られてばっかりだ。