□TRIFLE□編集者は恋をする□
「おはよーございまーす!」
仮眠室の簡易ベッドの上で丸まっていると、やけに明るい声が聞こえてきた。
「ん…………」
誰。そして今は何時。
ぼんやりしながらもぞもぞと毛布から顔を出す。
そこには今日も完璧にメイクをした可愛らしいデガワが立っていた。
「うわ、平井さんヒドイ顔」
寝起きにその容赦のない一言の方がヒドイと思う。
「顔洗ってきた方がいいですよー。目の下のがっつりクマ出てます」
「んん……、仮眠しようと思ったんだけど眠りが浅くて」
身体を起こし、大きく伸びをする。
一人で仮眠室で寝ようとしても、片桐の腕の感触や体温を思い出して寂しくなるだけで、なかなか寝付けなかった。
これなら開き直って徹夜したほうがよかったかも。
簡易ベッドの上で膝をかかえて大きなあくびをしていると、デガワががさがさとビニール袋から何かを取り出して、小さなテーブルの上に並べた。
白いふたのついたテイクアウト用の丸い容器が二つ。