□TRIFLE□編集者は恋をする□
 
「ありがとう。デガワっていつも早めに出社して会社で朝ごはん食べてたりするの?」

時計の針はまだ10時を過ぎたところだ。
みんなお昼近くになって出勤してくるから、デガワがこんなに早く会社でご飯を食べてるなんて知らなかった。

「いつもは私もみんなと同じくらいに来てますよ。ただ、昨日平井さんがあったかいご飯食べたいって言ってたから……」

「え、私のために朝ごはん買って早めに会社にきてくれたの?」

「別に平井さんのためじゃないです。平井さんがそう言ったから、私もあったかいご飯食べたくなっただし、どっちにしようか迷って選べなかったから二つ買ってきただけです」

照れ隠しなのか唇を尖らせてそう言うデガワが可愛くてきゅんとする。

きっと昨日私が編集長にミスを指摘されてるところを見ていたから、気にして早めに来てくれたんだろうな。
どうしよう、すごく嬉しい。

「冷める前に食べましょ。あ、平井さんお金はちゃんと払ってくださいね」

「ありがとう!もちろんいくらでも払うよ」

「いくらでもですか?じゃあ10万円です」

にっこり可愛らしい笑顔で恐ろしい金額をふっかけてくるデガワに、眉間にシワがよる。
せっかくデガワの優しさに感動してたところなのに。

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