□TRIFLE□編集者は恋をする□
「んーと、カテゴリごとに色を変えて、もっとパッと見てわかる感じにしたいんですけど……」
葉月さんが出してくれたデザインカンプを見ながら、腕を組んで唸る。
今の状態でもシンプルでうちの雑誌らしいレイアウトなんだけど、せっかく気合を入れて新たに練り直しているラーメン特集。
今回の目玉であるカテゴリの違いを前面に出したい。
そう思いながらカンプから顔を上げると、葉月さんはぼんやりと頬杖をついて私を眺めていた。
「葉月さん聞いてます?」
そう声をかけると、ゆっくり瞬きをした葉月さんが私の顔を見て首を傾げてふふ、と小さく笑った。
「あら、ごめん。綺麗なうなじだなぁと思って。男の人ならかみつきたくなるだろうなぁ」
まったくこの人は……。
私より7歳年上の葉月さんは、妙に色っぽくて困る。