□TRIFLE□編集者は恋をする□
 
やっぱりレイアウトデザインを同じ編集部の人がやってくれるのはすごく頼もしい。
こうやって、納得いくまで遠慮せずに話をできるから。
これが編プロやデザイン事務所に頼んでいたらまた違うんだろうな。
まぁ、うちの編集部は外部に発注できるほどの予算の余裕はないんだけど。

私が着ていたデニムのシャツワンピースの袖をぎゅっと腕まくりをして、出してもらったカンプをデスクの上で集めていると、

「平井、ちょっと痩せた?」

葉月さんは小さく首を傾げてそう聞いてきた。

「な、なんでですか?」

思わずぎょっとして、自分の頬を両手で押さえる。
ちょっと前までは、痩せた?と聞かれると嬉しくなったのに、最近は逆にドキっとする。
仕事しすぎて顔色が悪かったり、疲れでやつれている時によくそう言われるから。

「なんとなくだけど。ちゃんと寝てるの?平井は仕事抱えすぎて平気で資料室に泊まり込むから心配だわ」

「ちゃんと寝てはいるんですけど。最近ラーメンばっかり食べてたから……」

はぁー、と大きくため息をつきながら椅子に座ると、葉月さんが同情するような視線を投げてきた。

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