□TRIFLE□編集者は恋をする□
「あぁ、なるほど。カロリーの高い物食べ過ぎて、太るんじゃなく逆に痩せたのね」
「そうなんです。胃がやられて消化がおいつかなくて」
「平井ももうすっかり……」
「言わないでください。悲しくなるから」
ガックリと肩を落とすと、葉月さんがふふふと小さく笑う。
その時、背後から高い声が聞こえてきた。
「えー!なんでラーメンばっかり食べてて痩せられるんですかー?うらやましーい!!」
振り返ると日も全身男にモテそうな服装で固めたデガワが立っていた。
「あらそう?デガワもあと5年もすれば、無邪気にそんな事を言ってくる年下の女を蹴り飛ばしたくなる気分がわかるわよ」
ゆったりとした上品な口調で、さらりとデガワを切り捨てる葉月さん。
その言葉に、まったく動じず小首を傾げて可愛らしく笑ってみせるデガワ。
どっちも強者過ぎてついていけない。
「はい、お茶どーぞ」
「えー、この匂い。またあの酸っぱいお茶?」
「平井さん文句言わないでください!
経費でローズヒップティー大量に買っちゃったからちゃんと飲んでくださいね」
「んー、わかった。ありがとう」