□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

「そうなると、沖縄版の表紙を作るのまたプレッシャーよね」

「そうですよね。こんないい写真なかなか撮れませんから」

「もう!そうやってからかわないでくださいよ!!」

真っ赤になって怒る私を見て、二人は楽しそうに笑う。
しばらくこのネタで二人に苛められそうだ。

「でも、本当にいい写真よね」

ふふふっと柔らかく微笑みながら葉月さんが私の持つウエディング本を見て呟いた。

「結婚を控えた女性が思わず手に取りたくなるの、分かるわ」

そう言われて、私も改めてその表紙の写真を眺める。


緑の綺麗な森に囲まれた静かな泉。
その水面に浮かぶようにして立つ、純白の大きな十字架。
そしてその十字架の前で、顔をくしゃくしゃにして泣くウエディングドレス姿の私。


「この平井さん、幸せでたまらないって顔をしてますよね」

「うん。目の前の相手の事が大好きなんだって伝わってくるわよね」

そう言って笑い合う葉月さんとデガワを、顔を赤くしながら睨む。

「もう、二人とも私が照れるのを面白がってからかってるでしょう?」
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