□TRIFLE□編集者は恋をする□
 
「大丈夫だよ。この窓、周りの建物からは見えない場所にあるから」

のんびりと笑う平井の腕を取り、引き寄せた。

「きゃ」

簡単にベッドに引きずり込まれる彼女に、やっぱり危機感がたりないなと心の中でため息をついた。
Tシャツのすそを捲り上げ身体に触れる。

「や、片桐……っ。待って、待って!」

唯一着ていたシャツを首元まで捲り上げられ、裸同然の姿の平井がベッドの中で必死に抵抗する。

「なんで?」

「だって、窓開いてるのに……!」

「外からは見えないんだろ?」

「だけど……明るいし、声、とか……んんっ!」

平井の言葉を無視して、白いうなじに噛みつく。

「や……ん、あ、片桐、お願い。寝起きで汗かいてるから、せめてシャワー浴びさせてっ」

「どうせまた汗かくんだから、後でいいだろ」

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