この恋に名前をつけるなら
「ホントびっくりしたよ」


私はソワソワしながら仁くんを見つめる。



「俺もだよ……まさか結空に会うとは思ってなかったからさ」



「ふふ、だよね」


俺はタイピングの音を聞きながら、

結空が着ている制服姿を眺めていた。



「もう四年ぐらい会ってないんだっけ?」



「えっと……そんぐらい経つかも。何か大人っぽくなったね」



「そうかな?仁君はいいね。昔と変わってないから」


私はパソコンで手続きを始める。



「そうかな?あの、褒めてる?」



「え?ふふ、羨ましいってこと」


私は仁くんの顔を見て微笑んだ。



「あーーそういうことね、はは」


仁くんの顔にも笑みがこぼれた。



「うん。そう言えば……仁君は行ったの?」


私は恐る恐る仁くんに聞いた。



「え?何が?」



「プロポーズ丘公園」



私は手を止め、仁くんの顔を伺う。
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