この恋に名前をつけるなら

その頃、古びた狭いアパートで私は床に座り込み、カレンダーを眺めていた。



ダンボールが散らかる中、机には京都行きの夜行バスのチケットが置いてある。



私はボーッとカレンダーを見つめていた。



今日は６月５日、日曜日。


第一日曜日はプロポーズの日だっけ？


それに明日は記念日だった日だよね……



二人が付き合っていた日を思い返し。


私は考え込んでいた。




再び逢ってから仁くんのことを思う日々……



仁くんには彼女がいる。



もう絶対に会わない場所で暮らさないと、自分が自分を制御できなくなる気がしていた。



私は窓を開けて、外の空気を大きく気を吸い込む。


そして、小さく息を吐いた。


切り替えたのだろうか。


暗かった表情が緩んでいた。