この恋に名前をつけるなら
辺りは薄暗く、街灯を頼りに探すが、人影すらない。


むしろ静寂な公園に少しだけ、不気味さを感じる。



どんなに探そうが、どれだけ結空の名前を叫ぼうが結空の姿はなかった。



どこにいるのだろうか。


項垂れるようにして座り込む。



結空とは約束の日に逢えず、幸せを掴むことができなかった。



ホント、バカだよね?



キミの綺麗な髪や目、鼻、耳、唇……


それに目尻の下にあるホクロ……




はっきりと結空の顔が頭の中に映し出されるのに、逢うことができない。



自分のついた嘘に後悔する。


あの日、奇跡的に再会出来たのに……



無駄にしてしまった。


自分の気持ちを伝えれないまま、もう二度と逢えないと確信した。



俺は三年前の日と今日を重ね合わせ、地べたに寝転び、星を眺める。



夜の公園に少し怯えていたけど……




今はこうして、しばらく星を眺めていたかった。
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