この恋に名前をつけるなら

9月にやっと広島に行ける資金を貯めることができ、平日に五連休を貰うことができた。



三ヶ月ぐらい時間はかかったが仕方ない。


五日もあれば仁くんに逢えるはず。


バスに乗り込み、広島へ向かった。



今日は張りきって化粧もばっちり、

服も可愛いのを買った。


行き道中、仁くんに逢ったら、

どんな話しをしようか募る話しばかりで、

楽しみでしかない。



一年半ぶりに逢う仁くんは昔と変わらず、

優しくてカッコいいままなのかと、

期待で胸が踊っていた。



もうすぐ逢える。



私は仁くんが通っている大学に着き、

大学の門の近くの駐車場で、

ひたすら仁くんが出てくるのを待つことにした。



大学は広島市の市街地にあり、松江より都会で賑やか。


華やかでオシャレな街に私は魅了されていた。



一日目、私は仁くんのことを退屈そうに、待っていたけど逢えない。


そして、次の日の二日目も逢えなかった。


なかなか逢うことができず、大学の中に入ろうかと思った三日目のこと。



身長が高く、爽やかで優しい顔の男性がこちらに向かって歩いてくる。
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