この恋に名前をつけるなら

2015年5月、私に良い知らせが。



高校時代の親友である遥の結婚だ。


遥は卒業後、大学に通っていたが、当時付き合っていた彼との間に子を授かることに。


大学を中退し、遥は結婚したのだ。



そんな幸せ真っ只中の遥と私は、松江市内のカフェでランチをしていた。



「それで、式はあげないことにしたんだ」



遥は残念そうに私に告げる。



「えーー!そうなの?行きたかったな」



「うん。私も一度でいいからウエディングドレス?着たかったんだけど……お互い学生だったし資金面に苦労するから」



「そっか……」


私も遥の晴れ姿を見たかったに違いない。


残念がった。



「うん。だから私が結婚する時、式に呼んでよ。私のぶんもウエディングドレス着てさ!絶対に見せてよね」



「え!私?私は結婚できるかなーー?」



私には彼氏がいない。


もう何年も……





できる面影すらなかった。



「何言ってんのよ!まだ二十歳ようちら。これからなんだから」



「かな?私は幸せとは無縁だからなーー。ホント分けて欲しいよ」



「ふふ、なに高校の時と立場変わってんのよ!結空にも良い人が現れるって」



「かな?現れるといいけど……」



「現れるって!現れなかったら日本の反対まで探してきてあげるから、ふふ」



「ちょっと!私、日本人がいんですけど、ふふ」



二人は懐かしさと共に、時間の許すまで話しをしていた。
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