この恋に名前をつけるなら
「俺さーー結空が好きだわ。一緒にいてめっちゃ楽しい!だからさーー、俺と付き合ってよ」



緊張する中、北斗は自分の気持ちをストレートにぶつけた。



「え?」



突然のことに驚きを隠せないでいた。



「俺といたら絶対に楽しいから、ダメ?」


再度確認する。 



「え!その……ふふ」



我慢していたけど、我慢できなくなり吹き出してしまう。



「うん?どした?」



急に笑い出した私を見て、心配になっていた。



「だって声、ふふ。声がガラガラなんだもん!ホント可笑しくって!」



「あ……もしかして声がダメで振られた感じ?」



北斗は自分の声の状況を理解し、不安になる。



それと同時にポカーンと口が空いていた。



「ううん、違うの。私も北斗と居て楽しかった!だから、いいよ。付き合おう!」



「え!本当に?」



「うん、ふふ。声何とかして!ガラガラな声で普通、告んないでしょ?」



私は可笑しくてお腹を抱えていた。



「はは、これもこれで記憶に残って面白いね」



「うん、そうだけどさ」



「いやーーよかった。成功して」



北斗は安堵し、笑みが溢れる。



「私じゃなかったら普通、振られてるよ!きっと」



「はは、だね」



北斗は苦笑いを見せ、自然と頭をかいていた。


私と北斗が出会い、1週間ぐらい経つだろうか。


早い段階で恋人となった。



「今日はありがとね」



「あっうん。もう帰る?」


北斗は寂しそうに尋ねる。


「うん。もう遅いし帰るね」



「じゃあ、家まで送るよ」




「えっほんと?ありがと」


私は満面の笑みで北斗に言った。



「うん」



北斗は私を車に乗せ、家まで送る。



店員とお客様の関係だった二人は今日、彼氏彼女の関係に変わった。
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