この恋に名前をつけるなら
あんなに面白くて優しかったのに。



今では怖くて恐ろしい。


そういうふうにしか見れなくなった。



そして、私は顔を叩かれる。



何度も何度も……


私の顔を。



そして、一番嫌だったのは無理矢理、服を脱がされること。



「ーーッう、いやぁあ、痛いぃイ」



そんな言葉を言っても、北斗には伝わらない。



だって、あなたはもう人間じゃないもの。



悪魔に取り憑かれたみたいに、心は冷徹だった。



もう無理かも……



何百回思ったことだろう。




『別れよう』


いつしか、そんな言葉を私は繰り返すようになっていた。



でも、北斗は別れてくれない。



むしろ『別れよう』なんて口にしたら、酷い目にあう。


殴る蹴る、そして、言葉の暴力。



私は怖くて『別れよう』が言えなくなった。
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